積分の計算① (和歌山大)

数学Ⅲ
問題 ★★★☆☆
ポイント

分数関数の積分ですね。まずは(分子の次数)<(分母の次数)なので,”次数下げ”はする必要ありません。分母が因数分解されているので”部分分数分解”を考えます。

ポイント

(分子の次数)<(分母の次数)なので,右辺の分子は”2次式”で設定します。
ここで,\(ax^2+bx+c\) と設定するのではなく,\(a(x-1)^2+b(x-1)+c\) と設定すると,後の変形・積分が楽になります。(変形を誘導されることが多いと思いますが。)

ポイント

上では,係数比較法が面倒だったので数値代入法で係数を決定しました。
さて,あとは積分計算していきましょう。

ポイント

いかがでしたか。やや時間はかかりますが,分数関数の積分のポイントがたくさん詰まっています。
是非,何回か練習しておきましょう!

不定積分~$\intopa\bunsuu{x^3}{(x-1)^3(x-2)}\,dx$~を求めよ.\\
$\bunsuu{x^3}{(x-1)^3(x-2)}=\bunsuu{a(x-1)^2+b(x-1)+c}{(x-1)^3}+\bunsuu{d}{x-2}\
=\bunsuu{a}{x-1}+\bunsuu{b}{(x-1)^2}+\bunsuu{c}{(x-1)^3}+\bunsuu{d}{x-2}$\
となるような定数$a,b,c,d$を決定する.\
分母を払って,\
$x^3=a(x-1)^2(x-2)+b(x-1)(x-2)+c(x-2)+d(x-1)^3\cdots~(\ast)$\
$(\ast)$が$x$についての恒等式であるためには\
$\trenritu{x=1を(\ast)に代入して,1=-c\x=2を(\ast)に代入して,8=d}$が必要.\
すると,$(\ast)\douti{x^3=a(x-1)^2(x-2)+b(x-1)(x-2)-(x-2)+8(x-1)^3}$\
さらに,このもとで\
$\trenritu{x=0を(\ast)に代入して,0=-2a+2b-6\x=3を(\ast)に代入して,27=4a+2b+63}$が必要.\
これより,$a=-7,b=-4$でこれは$(\ast)$を成立させ十分.\
以上から,\
$\bunsuu{x^3}{(x-1)^3(x-2)}=-\bunsuu{7}{x-1}-\bunsuu{4}{(x-1)^2}-\bunsuu{1}{(x-1)^3}+\bunsuu{8}{x-2}$で\
$\intopa\bunsuu{x^3}{(x-1)^3(x-2)}\,dx=\intopa\B{-\bunsuu{7}{x-1}-\bunsuu{4}{(x-1)^2}-\bunsuu{1}{(x-1)^3}+\bunsuu{8}{x-2}}\,dx$\
$=-7\log{\zettaiti{x-1}+\bunsuu4{x-1}+\bunsuu1{2(x-1)^2}+8\log{\zettaiti{x-2}}}+C~(Cは定数)$\
$=\bunsuu{8x-7}{2(x-1)^2}+\log\bunsuu{(x-2)^8}{\zettaiti{x-1}^7}+C\kotae$\\

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