先生!参考書などでちょくちょく対称式という言葉を見かけるんですが、
これってそんなに重要なんですか?
入試問題を解くうえでは対称式はとても重要です。
まずはどんな式のことなのかを見ていきましょう。
\(f(x,y)=f(y,x)\) が成立する多項式のことを、(2変数の)対称式という。
ん~。これだけだとよくわからないな…。
簡単に言えば \(x\) と \(y\) を入れ替えても、
元の式と変わらない多項式のことです。
例を挙げるなら、\(x^2+y^2\) や \(x^2y^2\) などがそうです。
n浪君も、なにか例を挙げてみましょう。
えーと…。\(x^3+y^3\) もそうかな?
\(x\) と \(y\) を入れ替えても \(y^3+x^3\) ってなるし。
それも対称式ですね!
特に \(x+y\) と \(xy\) のことを基本対称式といいます。
へぇ~~。
ところで、対称式だからって何かいいことがあるんですか?
では、この対称式の性質を教えましょう。
すべての対称式は、基本対称式 \(x+y\) ,\(xy\) の多項式として表せる。
どういうことでしょう?
すごいことなんだなってのは伝わりましたけど…笑
では、先ほど出た \(x^2+y^2\) と \(x^3+y^3\) を例に見てみましょう。
\(\color{red}{・~x^2+y^2=(x+y)^2-2xy}\)
\(\color{red}{・~x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)}\)
あっ、たしかにどちらも \(x+y\) と \(xy\)だけで表せてますね。
この変形の仕方は覚えておいた方がよさそうですね!
そうですね。
では1つ問題で確認してみましょう。
\(x=\sqrt{2}+\sqrt{6}~,~y=\sqrt{2}-\sqrt{6}\) のとき、次の式の値を求めよ。
\((1)~~x^2+y^2~~~~~~~(2)~~x^3+y^3\)
対称式の性質を考えれば、\(x+y\) と \(xy\) の値がわかれば解決しますね!
\(x+y=(\sqrt{2}+\sqrt{6})+(\sqrt{2}-\sqrt{6})=2\sqrt{2}\)
\(xy=(\sqrt{2}+\sqrt{6})(\sqrt{2}-\sqrt{6})=2-6=-4\)
よし。 \(x+y=2\sqrt{2}\) , \(xy=-4\) だ!
いいですね。では \(x^2+y^2\) と \(x^3+y^3\) を計算しましょう。
\(\color{red}{x^2+y^2=(x+y)^2-2xy}\)
\(~~~~~~~~~~~~~=(2\sqrt{2})^2-2\cdot(-4)\)
\(~~~~~~~~~~~~~=8+8\)
\(~~~~~~~~~~~~~=16\)
\(\color{red}{x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)}\)
\(~~~~~~~~~~~~~=(2\sqrt{2})^3-3\cdot(-4)\cdot2\sqrt{2}\)
\(~~~~~~~~~~~~~=16\sqrt{2}+24\sqrt{2}\)
\(~~~~~~~~~~~~~=40\sqrt{2}\)
先生、できました!
正解です。
これは式の値を求める問題ですが、
様々なところで対称式は重要になるので頭に入れておきましょう。
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