回転体の体積③(東京大)

数学Ⅲ
問題 ★★★★★
ポイント

いきなり中点Mの通過領域を考えるのは大変なので,まずは点Pを固定し,PQ=2を満たすように点Qを動かして点Mの動きを追ってみましょう。
さらに,点Pを曲面S上で回してみると…

ポイント

結論,平面上で点Mの通過領域は円を軸周りに回転させた図形であるわけです。
では回転軸に垂直な平面\(z=t\)で切ってみましょう。

ポイント

断面積 \(S(t)\) は以下の軸からの最大径と最小径を考えると以下の2パターンあります。

ポイント

形は違えど断面積は同じ式にまとまりましたね。
あとは,\(t\) を1から2まで変化させて積分して終了!と言いたいところですが,最後に注意が必要です。

座標空間内の点A($0,0,2$)と点B($1,0,1$)を結ぶ線分ABを$z$軸のまわりに1回転させて得られる曲面を$S$とする.
$S$上の点Pと$xy$平面上の点QがPQ$=2$を満たしながら動くとき,線分PQの中点Mが通過しうる範囲を$K$とする.$K$の体積を求めよ.
曲面S上の点Pを,平面$z=t~(1\leqq{t}\leqq{2})$上,P($2-t,0,t$)と固定する.\
点QをPQ=2を満たしながら$xy$平面上で動かすと,線分PQの中点Mは,\
平面$z=\bunsuu12t$上で中心$\p{2-t,0,\bunsuu12t}$,半径$\sqrt{1-\bunsuu{t^2}4}$の円$C_t$の円周上を通過する.
さらに点Pを$S$上で$z$軸のまわりに1回転させると,点Mの通過する領域は円$C_t$を$z$軸のまわりに1回転させてできる領域$D_t$である.
ここで,領域$D_t$の面積を$S(t)$としよう.\
$(2-t)^2-\left(\sqrt{1-\bunsuu{t^2}4}\right)^2=\bunsuu14(5t-6)(t-2)$であることをふまえると,\
\tokeiichi~$1\leqq{t}\leqq{\bunsuu65}$のとき,$2-t\geqq\sqrt{1-\bunsuu{t^2}4}$であるから,領域$D_t$は以下の図1の通り.\
\hfill\includegraphics[scale=0.2]{toudai20222.ai}\hfill~\
\tokeini~$\bunsuu65\leqq{t}\leqq{2}$のとき,$2-t\leqq\sqrt{1-\bunsuu{t^2}4}$であるから,領域$D_t$は以下の図2の通り.\
\hfill\includegraphics[scale=0.2]{toudai20221.ai}\hfill~
\
\tokeiichi,\tokeini~いずれの場合も$S(t)=\pi\B{\left(2-t+\sqrt{1-\bunsuu{t^2}4}\right)^2-\left(2-t-\sqrt{1-\bunsuu{t^2}4}\right)^2}$\
\hspace{51mm}$=2\pi(2-t)\sqrt{4-t^2}$\
$t$の変化量$\Delta{t}$に対して,$\bunsuu12{t}$は$\bunsuu12\Delta{t}$だけ変化することに注意すると,
$K$の体積は\
$\dint{1}{2}2\pi(2-t)\sqrt{4-t^2}~\bunsuu12dt=\pi\dint{1}{2}(2-t)\sqrt{4-t^2}\,dt$\
$=2\pi\dint{1}{2}\sqrt{4-t^2}\,dt+\bunsuu12\pi\dint{1}{2}\sqrt{4-t^2}\cdot(-2t)\,dt$\
$=2\pi\left(\bunsuu23\pi-\bunsuu{\sqrt{3}}2\right)+\bunsuu12\pi\cdot(-2\sqrt{3})$\
$=\bd{\pi\left(\bunsuu43-2\sqrt{3}\right)}\kotae$

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