積分の計算③ 横浜国立大 など

数学Ⅲ
問題 ★★★★☆
ポイント

こちら単体での定積分は難しいように思いますが,\(\sin{x} , \cos{x} \)の対称性を利用して実は簡単に定積分の値が求まります。ここで1つ「King Property」になる等式を紹介しましょう。

区間\([a,b]\) で連続な関数\(y=f(x)\) について,一般に以下のことが成立します。

King Property

\(\int^{b}_a f(x) dx=\int^b_a f(a+b-x) dx\)

簡単に言えば,積分区間の中点について対称移動した関数と,同じ積分区間での積分値は常に等しくなります。
今回の問題ですと,\([0,\frac\pi2]\) の中点に着目して,対称移動すると新たな式が登場します。
つまり,\(x=\frac\pi2-t\) の置換を考えようと思います。

ポイント

さて,新たな積分の式が得られたもののコレも積分するのは困難ですね。
ここで重要なのは,元の式と新たに得られた式の「力を合わせれば」簡単に積分できるという事実です。

補足

今回の問題では別解として,
\(I=\displaystyle\int_{\small 0}^{\frac\pi2}\dfrac{\sin x}{\sin x+\cos x}\,dx\)
\(J=\displaystyle\int_{\small 0}^{\frac\pi2}\dfrac{\cos x}{\sin x+\cos x}\,dx\)
と置いて,以下のように積分値を求めることも可能です。

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